アンジェ・ポステコグルー監督がアジアサッカー連盟(AFC)公式サイトのインタビューに応じ、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大に伴うシーズンの中断と再開への兆しについて、そして未だ再開の目処が経っていないAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に向けて、自身の想いを語っています。
「世界中で起こっていることを踏まえて、フットボールが二の次のことになってから半年が経つ。我々にとっては、社会として困難に直面せざるを得ない時期を過ごしてきた。そして必然的に、我々自身の小さな世界にも衝撃が走り、フットボールもまたそれを受けたものの一部だった」
「我々(マリノス)は活動を再開したし、Kリーグ(韓国)やブンデスリーガ(ドイツ)、そして既に再開している他のリーグを見れたことは非常に良かった。そして、みんなもフットボールが再びプレーされることでホッとしたのではないだろうか。我々もリーグ再開が決まり、私は感謝の気持ちで一杯だよ。選手たちにも目的を与えることになるからだ」
今月に入って全体練習が再開され、久しぶりに顔を合わせた選手たちの様子について、ポステコグルー監督は次のように語っています。
「選手たちは試合をするのが待ち遠しいようだ。過密日程になるのは分かっているが、選手たちの立場から考えれば、誰もそれを不満に思うことはないだろう。彼らは彼ら自身が愛しているサッカーに再び戻れるのを心待ちにしているからだ。無観客試合はいつもと少し違った雰囲気になるだろうが、人々が再びスタジアムに来れるようになる日が早めに来るのを望んでいる」
「何はともあれ、これで本当に大切なもの、みんなが心から情熱を注ぐものに再び火が点くだろう。情熱的なスポーツであるフットボールにおいては、何故それほどまでに愛しているのかを時として忘れてしまうからだ。スタジアムにいられること、そしてプレーできることの喜びは、試合に勝とうが、負けようが、引き分けようが変わらない。(サッカーをプレーするという)実感こそが大切なのだ。シーズンが再開して、動き出したら、誰しもが心に感謝の思いを持つことになる」
一方、ACLへの参加意義やそれに対するチームの様子については以下のような考えを持っているようです。
「進歩が見られるし、それこそがACLの醍醐味だと思う。別の国の、異なるタイプのチームと、(普段とは)違った環境の中で、我々がJリーグでプレーしているフットボールをもって対抗できるかを測ること。それこそが挑戦だからだ」
「我々は韓国に行って全北(現代モータース)と対戦した。彼らはACLやKリーグで素晴らしい成績を残してきたチームだが、(そうしたチームと対戦することは)とてもエキサイティングだったし、選手たちも気分が上がっていた」
「ACLは我々に、そして我々がこれまで築き上げてきたものに対して励ましを与えてくれている。だから、大会の今後についても楽しみにしている。現状はご覧の通り中断しているが、この先どこまで行けるのかを見たいという気持ちに変わりはない」
「我々は去年Jリーグで優勝し、今は(ACLの)トーナメントが再開する方法が見つかることをとても願っている。そうなれば、我々は異なるスタイルを持った数々のチームにチャレンジする機会が得られるからだ。マリノスは(今年出場するまでは)数年の間ACLから遠ざかっていて、またグループステージを突破したことが未だない。だから、今回はそれを成し遂げるチャンスだ」
Jリーグとは異なる環境で普段通りチャレンジをし続けることに対し大きな意義を感じているポステコグルー監督は、自分自身の哲学にも触れつつ、インタビューを次のように締めています。
「自分が関わっている全てのものにおいて勝ちたい。それは(自分にとっての)付き物だ。私は自分のチームにある決まった形のフットボールをプレーさせるのがとても好きだし、そうして成功を手にしてきた。それがアジアレベルの相手に対してどのようにぶつかるのか、ACLはそれを我々に示してくれる。ホームを離れてアウェイでも、他の国でも、異なったコンディションでも同じことができるか?それこそがチャレンジだ」