「我々のアプローチは変えないが…」J1リーグの変容に合わせた戦術について、マスカット監督が語る。

2023シーズン開幕からおよそ2ヶ月が経過し、リーグ戦8試合を終えて、勝ち点14で5位につけているマリノス。

チームを率いるケヴィン・マスカット監督は、今季のマリノスについて、「全く新しいチームになった」と『KEEPUP』のインタビューで語っています。

「加入した選手もいれば、移籍していった選手もいる。その点、クラブとしては、たとえばディフェンディング・チャンピオンなどと形容されるだろうが、実際のところは全く別のチームだ。

我々は、新たな目標やタイトルに向けて、そして全てが新たなチームとして、「ディフェンディング・チャンピオンではない」ということを意識しながら努力を重ねている。

もちろん、これまでも、そして現在もいてくれている中軸の選手たちはいるが、そこにも多少の違いは存在すると思う。炎を灯し続け、一戦一戦に向けて準備するよう、我々は可能な限り一生懸命に努めてきている」

マスカット監督にとって、2023シーズンは「成功を長続きさせ、再活性化を図りつつ、積み重ねをしていくこと」がテーマになっている様子。大きなテーマであることは認識しつつ、「スタッフにとってもやりがいのあること」としています。そして、テーマ設定の背景には、J1リーグの制度変更に伴う、各クラブのプレースタイルの変容が関係しているようです。

「だが、我々自身がこの状況下にあることを悟って、受け入れる必要がある。スタッフとして、我々のプレースタイルに合う特徴を持った新たな選手たちを獲得し、チームに加えることにチャレンジしてきた。それから、彼らが貢献できるようにツールを与えて、我々のプレースタイルの中で成功を収めていくことに、スタッフとして取り組んでいる。

ずっと言ってきていることだが、我々の試合において確かなのは、新陳代謝が起こっていることであり、それを続けることで、成長曲線の曲がり角を迎えないよう、マインドを保つことに取り組んでいる。

シーズン当初でさえ、私には何が起こっているのか分からなかったが、J1リーグは来年から20チームになる。そして、1チームだけが降格する。今季の走り出しはホットで、非常にアグレッシブになっている。私は、多くのチームが、より自発的でアグレッシブなスタイルになっていることに気が付いた。

気持ち新たに、戦術的にもチャレンジングだ。なので、ちょっとした工夫をして、試合中のとあるフェーズを有利に運べるようアジャストしようとしている」

最後に、マスカット監督のいう「ちょっとした工夫」については、次のように語っています。

「もしかしたら、そのひとつはボールの非保持にあるかもしれない。我々はこれまで、プレスを掛けるときは強くアグレッシブにしていたが、特に今シーズンに関していえば、相手は我々のプレスを誘い、それをかわそうとしてきている。

なので、我々にはプレスを仕掛けるチャンスがない。我々の視点からすれば、試合のバランスというものはひっくり返ってしまった。ある一定数の選手たちに、相手選手へのプレスを仕掛けさせ、そうすることでプレーエリアを高くしようとしてきたからだ。

唐突にチャンスがなくなって、後ろに振り返ることになり、そしておそらく、数的不利に陥っている。少々調整することが必要だが、我々のアプローチは変えない。アグレッシブで、相手に脅威を与えるということは変えない。しかし、相手がそれに乗ってこず、我々も我々のやり方ができない場合は、プレスによって脅威を与えるが、少しやり方を変えている。チャレンジではあるが、良いチャレンジだ。

他方、我々がボールを保持しているとき、相手はよりアグレッシブに来ている。降格が1チームしかないことで、恐れが減ったのかもしれないが…より効率的にプレーを貫く方法を解き明かそうとしているところだ。ボール保持の領域において、我々のやりたいように局面を変えるべく、進化を重ねてきている。それと同時に、相手に対して新たな、または別の問題を引き起こさせる。つくづく面白いなと感じているよ」

https://keepup.com.au/news/yokohama-f-marinos-a-league-j1-league-kevin-muscat-football-japan-ange-postecoglou/

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