言葉の壁、国民性、そして難しさ…ポステコグルー監督が“日本のサッカー”を語る。

2019シーズンも9試合を残すのみとなり、第25節終了時点でリーグ3位と好調を維持するマリノス。就任2年目となったアンジェ・ポステコグルー監督が『Optus Sport』のロングインタビューに応じたので、今回はその中からマリノスに関わるトピックを中心にご紹介します。

初めに、ポステコグルー監督にとっては外国である日本での指揮にフォーカス。オーストラリアを離れ、自身の哲学を植え付けるのに難しい国での指導に敢えてチャレンジしてみようと考えていたことから始まり、次のように語っています。

「チームに対して求めるフットボールが自分の中ではハッキリしていて、しかしそれを伝えるための最良のツールが言葉だった場合、どうすれば私のアイディアを植え付けることができるだろうか?この問いは今なお続いている。こうした状況下で、言葉は私にとって最大の、そして最も効果的な武器だったかもしれない。だから私にとっては試練だった」

「ただ公平に見て、選手たちは最初の日から今までずっと私の考えを理解してくれている。だから、我々のフットボールをこれまで以上に徹底するために、“分析を増やす”という、これまでとは違った方法を採ることにした。我々が望むプレーを選手たちが理解できるようになるからだ」

「これまで私と一緒にやってきて、私がチームに対して望むプレーそのものや、そしてそれが私の言葉によらずとも伝わるんだということに対する私の確信を理解することができなかった人は一人もいない。私の人との関わり方は私の人生そのものだ。だからこそ人に伝わるんだよ」

続いて、ポステコグルー監督が日本に来て感じたことへと話題が移ります。

「私が日本に来て驚かされたことを強いて挙げるとすれば、人々がいかに保守的であるかということだ。だいたいそういうことだろうというのは感じていたが、日常には保守的なところが多いし、彼らのフットボールについても同じだ」

「日本が育てている選手たちのタイプに関して言えば、私と結びつくことはなかなか無い。技術的にとても恵まれた選手が育っており、彼らはとても速いテンポの中でプレーすることができる。そうしたフットボールは私が望んでいるものだが、彼らのプレーの傾向はとても保守的なんだ」

「相手に対して主導権を握るようなプレーより、ゆっくりとしたテンポでのプレー、組織的なプレーをしたがる。これには驚かされたが、我々はこの点にも取り組んできた。彼らにはテクニックがあり、フィジカルも備わっている。つまり、考え方を変えるだけだった。こういったバリアーを破る必要があったのだ」

「昨季序盤の数試合は、後方からのビルドアップを試みた中でゴールキーパーを中心にとても多くのミスを犯した。しかし、私のことを知っている人なら分かると思うが、私のフットボールに対する哲学はたったひとつのミスや結果を超えていくといつも確信している。私はこれからもこのやり方を続けていくつもりだし、選手たちはそれに応えてくれた」

また、就任以前に編成されたチームが自身の哲学を体現するのに十分ではなかったことを認めつつ、以降の補強については「非常に良い」と述べています。

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