「勝つことが全てではない」。トータルフットボールとポステコグルー監督のサッカー哲学の関係性に迫る。

19日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のシドニーFC戦で4-0の大勝を収めたマリノス。試合後にアンジェ・ポステコグルー監督が会見に応じ、自身のサッカー哲学の一端を語りました。『Nasdaq』が伝えています。

同メディアによると、ポステコグルー監督はまず初めに自身がマリノスの監督に就任した当時を振り返りながらコメントした様子。

「彼ら(マリノスの選手たち)はこう教えられていた。“自分はサイドバックだからここにいる必要がある”、“自分は10番(=トップ下、アタッキングハーフ)だからここにいなくちゃ”、あるいは“ゴールキーパーもボックス内にいないといけない”、と。だが我々はそれを忘れるように言った。我々は我々のサッカーをする。我々のサッカーとはボールを奪うことであり、スペースに侵入することであり、チームとしてひとつになることだ。今や彼らがピッチ上で互いにコーチングしている様子を見ることができるだろう。誰がどこに行くべきかを互いに話し合っている。だが、まだ改善の余地がある」

記事ではポステコグルー監督の戦術面におけるビジョンがトータルフットボールに影響を受けていると指摘。1970年代にリヌス・ミケルスが提唱したトータルフットボールは、1990年代にヨハン・クライフがバルセロナ(スペイン)の監督としてそれを体現し、クライフの一番弟子であったペップ・グアルディオラがそれを引き継いでいるといわれていますが、ポステコグルー監督の哲学は少し異なっているようです。

「トータルフットボールではボールを持ったときに皆が関与するが、私はそこに“ボールを持っていないときでも皆が関与する”という理解を付け加えている」

「アグレッシブなプレスを仕掛けてくるがボールを持たずにダイレクトプレーをしてくるチームがあれば、ボールを持つがプレスはしないチームもある。我々はその両方をやろうとしているが、それは簡単なことではない。我々は我々のサッカーがしたいのであって、それが簡単に見えるというのがカギであって、簡単に見えるとしたらそれはもしかしたらとても複雑なことかもしれない、ということだ」

「人々が語るようなサッカーをするというのが私のビジョンで、私は選手たちにいつも言っている。“勝つことが全てではない、それは目的ではない。みんなが語るサッカーをしよう”と。その上で結果が出ればそれは嬉しいことだ」

https://www.nasdaq.com/articles/soccer-postecoglou-wants-japanese-champions-to-keep-people-talking-2020-02-20

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