言葉の壁、国民性、そして難しさ…ポステコグルー監督が“日本のサッカー”を語る。

続いて、ポステコグルー監督は過去の経験と照らし合わせながら、チームビルディングについても持論を展開していきます。

「我々のようなスタイルを実践しようとして、また勇猛果敢でありたければ、若手選手たちがそれを受け入れやすいだろう。経験のある選手たちも例外ではない。正しく経験を積んできた選手たちはそのプロセスを活気づけてくれる。サッカルーズ(オーストラリア代表)で言えばティム・ケーヒルやミル・ジェディナクは若手をとても引っ張ってくれて、素晴らしい存在だった。若手とベテランのコンビネーションがあってこそだし、それぞれが一緒になってこそ、私にとってはしっくりくるものだ。

そして、それこそ私がどこに行っても影響を与えることができる理由だろう。賛否があろうと、私のチームがプレーしたという疑いようのない足跡が(これまで率いたクラブに)今も残っている。そして、それこそ私がこのクラブに残そうとしているものであり、そうしたスタイルの選手たちを私はクラブに植え付けようとしている。私にはそれが合っている」

ポステコグルー監督は自身の信念に固く立つ人物として知られていますが、その難しさについても口にしています。

「私が信じていることは全く変わらない。為すこと全てに対応して変化する必要がある。言い換えれば、私が望むフットボールをする上で、クラブ選びや補強に関して安全なことなんてあるだろうか?ということだ。そしてそこにこそ、全てに通ずる瀬戸際があるはずだ。私の意図がある確かな道に沿って進んでいくことに人々の疑いはなくなり、そうして物事が進んでいく」

「(来日してから)最初の方に興味深いことがあった。彼ら(日本のサッカーファン)は博識で、私がサッカルーズでしてきたことを彼らは知っていた。取材陣や海外メディアはサッカルーズが今とは違うフットボールをしていたことを知っていたが、突如として日本代表以上にボールをポゼッションするという、それまでにないことが起こった。だから、彼らは私が持ち込もうとしていたものが何だったかをぼんやりと知っていたのだ」

Jリーグには堅守速攻を目指すチームが多い中、自身のアタッキングフットボールがどのように映るかを考えたこともあるそう。その上で「今となっては、人々は我々が最も重要な成功(タイトル)を得られるかどうかに注目している」と認識しているようです。

「チームには成長できる大きなポテンシャルがある。今年何が起こったとしても、我々は来年も、そしてその次の年も間違いなく挑むことができるだろう。チャンピオンズリーグ(ACL)や降格もあり、過酷なリーグだ。消化試合など存在しない…毎週が本当にチャレンジで、私はそれを楽しんでいる」

インタビューはこの先も続きますが、ポステコグルー監督の“日本サッカーにインパクトを残す”ことに対するコメントをもって本稿を締めたいと思います。

「人々はどんな成功を収めたかに注目する。私はそれなりに成功してきたが、私は監督としての成功を長続きさせることをして、どこにいても成功を収められるように取り組んでいる。起こるかどうかに関わらず、時として読み違えてしまうことがある。私がサッカルーズに関して読み違えてしまったのは間違いない…しかしここでは、もし我々が今年もその先も正しく進んでいければ、国内サッカーに対してのみならず、代表チームに対する日本人のものの見方も変えることができるだろう」

「日本は大きな進歩を重ねてきた国だと思う。日本には考え得る最高のレベルで成功できるフットボーラーがいる。“もしうまくいかなかったらどうしよう”といった結果を恐れるようなことではなく、ベストを尽くそうとする考え方へとほんの少しだけ変えることが全てだ」

https://sport.optus.com.au/articles/os300/ange-postecoglou-interview

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