“自分たちのサッカー”の重要性とアヤックスの躍進。信念に堅く立つポステコグルー監督の哲学に迫る。

日本での2シーズン目を迎えたアンジェ・ポステコグルー監督がインタビューに応じ、監督としてのチームビルディングやコンセプトについて語っています。『Yahoo! Sports』で配信されている『Omnisport』の記事が伝えています。

「いつも時間が掛かってきた。だがこれまで私がやってきたことは変わっていない。私が求めるプレーはクラブの誰に対しても挑戦的なものだった。我々(マリノス)は良い時も悪い時も経験してきたし、結果にも現れているようにそれらの差は非常に多かった。それでもカップ戦(ルヴァンカップ)の決勝を戦うことができたし、時には良いプレーも見せてきた」

1年目のシーズンを簡単に振り返った後、ポステコグルー監督は昨季と今季の違いについて述べています。

「今年はスカッドを少しだけ変えている。個人的なポイントとしては私が必要としているタイプの選手を揃えていることで、クラブも我々が得ようとしているものをどうやら理解したのだろう。一人一人がとても協力的なんだ。シーズンの出だしは好調だ。去年よりは間違いなく安定しているが、(Jリーグは)タフなリーグだ。毎週チャレンジがあるし、毎週の相手に素晴らしい選手たちがいる」

ここからポステコグルー監督は自身のポリシーを語り始めます。はじめに、成功を収めるために軸の据わったスタイルでプレーすることの重要性を説いています。

「どこで監督をしようとも、私は勝利を手にしたい。勝利を敬遠する理由はないし、同じように私のチームには“自分たちのサッカー”をプレーしてほしいとも思う。そのようにすることで成功を収めることができるからだ。成功とはどんなものだろう、と考えたことはただの一度もない。チームが私の望むようにプレーをするようになったとき、成功がついてくるからだ。それが最初のチャレンジだ。

我々がどうなるかはこれから分かるだろう。クラブにタイトルをもたらすことができたらとは思うが、“自分たちのサッカー”をしてタイトルを得ることは更に重要だ。ファンにとっても喜ばしいことになるだろうし、フットボールに対して違いを生み出すことにもなる」

続いて、ポステコグルー監督はマリノスの現状と、なぜマリノスで指揮を執る選択をしたのかということについて触れています。

「何にでも挑戦は付き物だし、私が何に取り組んでいるかというのは分かっているつもりだ。(マリノスは)歴史的には誇りのあるクラブだが、今やビッグクラブの一つであるとは言えない。予算にしても、資金の使い方にしても、クラブの施設ですら他のクラブのレベルにもはや達していない。その根底にあるのは、我々が成功を手にすれば、クラブを引き上げることができるというものだ。ただ、素晴らしい選手たちと仕事がしたいからといってそのようにしたいという意味ではないし、そうすることで私のアプローチが大きく変わるわけではない」

「どこであっても監督業は挑戦であると感じているし、お金のあるなしによって変わるものだとは思っていない。鍵となるのは“選手たちに自らの信念を植え付けることができたか?”ということだ。選手たちのスタイルを素晴らしいものとして、違いを生み出すようなものにさせることでもある。私はそのことで不安にはなっていないし、それが私を惹きつけたわけでもない。私が惹かれたのは別のリーグに行くということであって、挑戦の多いリーグだということも分かっていたし、私のスタイルを植え付けられたか様子を見ているところだ」

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